群馬県藤岡市中の道の駅「ららん藤岡」は、2000年に開業。上信越道上り線藤岡パーキングエリアに直結する高速道と一般道から乗り入れ可能だ。旅行情報誌が昨年発表した道の駅ランキングで全国6位となり、年間200万人以上が訪れる。農産物直売所や飲食店が並ぶほか、子どもたちの遊び場となる噴水広場やシンボルのミニ観覧車、展示会場など楽しめる空間を演出する。


農産物直売所には地元農家から採れたて野菜が届く。午後は品薄になるため、早い時間帯に足を運ぶのがおすすめ。地元で作ったパン、まんじゅう、総菜もそろう。直売所所長の三宿剛人さん(48)は「新鮮で安全安心の野菜を味わってほしい」と呼びかける。

飲食店はラーメン、そば、海鮮と充実。肉の駅ららん店では、注文後に揚げるアツアツの「上州麦豚コロッケ」(110円)が大人気だ。ららん茶屋BetsuBaraのおすすめは、地元産のイチゴを使った「やよいひめ苺(いちご)ソフト」(450円)。土産店もそろう。ラスクで有名な原田・ガトーフェスタハラダに加え、6月に1905(明治38)年創業の和菓子製造販売の虎屋本店(同市藤岡)が新規出店した。

夏場にうれしいのが、施設中央に位置する噴水広場。9月まで常時水が噴き上げ、涼むことができる。観覧車はイタリア製で高さ15メートルとミニサイズ。ドラマ撮影でも利用され、1周5分程度でゆっくりと回る。
花の交流館では絵画や写真の作品展示、屋外のステージではライブやダンスが披露される。

花壇リニューアル
2020年に同市で開催された「花と緑のぐんまづくりin藤岡」をきっかけに、施設内の花壇のリニューアルを進める。同市の友好都市、中国・江陰市から贈られた「千年紫藤」周辺をはじめ、出入り口付近の花壇をイングリッシュガーデン風に整備している。
アジサイ、ダリア、バラなど季節に合わせて年2回植え替える。地元にこだわり、市内の生産者から苗を仕入れる。次女と訪れた湯浅千江子さん(74)=富岡市=は「特にアジサイがきれい。気持ちが明るくなる」と笑顔で話す。管理する小田嶋美由紀さん(55)は「花壇でお客さんを呼べるようにしたい」と丹精して育てている。

道の駅を運営する藤岡クロスパークの大島孝夫社長(66)は「施設の価値をさらに高めるために花壇整備を進め、新たなお客さんが訪れるきっかけにしたい」と話す。開業から23年。一歩先へ向かう取り組みが進められている。