▼先日、こいのぼりの特集記事に「五月晴れ」とあった。誤りかと思い確認すると、誤用が転じて現在は5月のさわやかな晴れの意味でも使うと知った。こちらの早とちりだが、本来は梅雨の晴れ間を指す

 ▼九州から東海地方が記録的に早く梅雨入りした。間近と思われた関東には宣言が出ないまま5月を終えるが、この時季は長雨の憂鬱(ゆううつ)さや空梅雨の心配でやきもきする

 ▼お天気博士、倉嶋厚さんの『雨のことば辞典』には少し心持ちを変える言葉がある。例えば「愛雨(あいう)」は〈雨を好むこと。自然の摂理にしたがって降る雨は、動植物の命の水の供給源であり、人の心にうるおいを与えるかけがえのない賜物(たまもの)〉。雨が好きな人の意で「あまんじゃく」は本県の方言として紹介する

 ▼天の恵みは名が多彩で「沃雨(よくう)」〈植物をよく育む雨。田畑を肥沃(ひよく)にするよい雨〉や「膏雨(こうう)」〈農作物や草木をうるおし生育させる、ほどのよい雨〉も

 ▼困るのはほどよさを超えた「荒(あら)梅雨」や「甚雨(じんう)」だ。線状降水帯による集中豪雨や予想の難しいゲリラ豪雨など地球温暖化の影響による自然災害が当たり前になってしまった。100年に1度との警告を毎年のように聞く

 ▼しとしとと命を育む雨が降り、たまの五月晴れに気持ちを明るくする。あまんじゃくになるような穏やかな梅雨を迎えるには、環境のために何をすべきだろうか。あすから環境月間。改めて考える機会にしたい。