夜空を彩る花火大会は夏の風物詩。迫力ある光と音で感動を与えてくれる=2022年の前橋花火大会
短時間で1万5000発を上げる高崎まつり大花火大会(高崎観光協会提供)
榛名湖花火大会は水面に映る花火が幻想的だ(高崎市榛名支所提供)
いせさき花火大会は今年、多文化共生をテーマに開く(伊勢崎市提供)
10メートルの火柱が上がる勇壮な館林手筒花火大会(館林市提供)

 夏を彩る花火大会が、今年も群馬県内各地で予定されている。地域の夏祭りでの打ち上げをはじめ、勇壮な手筒花火や温泉街に咲く大輪まで。規模や趣向はさまざまだが、思い出に残る輝きは共通だ。行ってみたい群馬の花火大会の日程をまとめた。

群馬の主な花火大会
開催日時 大会名称 市町村 主な会場
7月29日 19:30 館林手筒花火大会 館林 館林城ゆめひろば
7月29日 19:30 つまごい祭り 嬬恋 東部小学校
7月30日 19:30 箕郷ふるさと祭り 高崎 ふれあい公園
7月30日 20:15 明和まつり 明和 ふるさとの広場
8月4日 20:00 榛名湖花火大会 高崎 榛名湖南側商店街周辺
8月5日 20:45 板倉まつり 板倉 町役場駐車場
8月6日 19:15 いせさき花火大会 伊勢崎 ラブリバー親水公園うぬき
8月12日 19:00 前橋花火大会 前橋 利根川敷島緑地河川敷
8月12日 19:00 新田まつり花火大会 太田 新田野球場
8月14日 19:30 甘楽町花火大会 甘楽 甘楽ふれあいの丘
8月15日 19:30 草木湖まつり みどり 市東運動公園
8月15、16日 15日19:30、
16日20:00
磯部温泉祭り 安中 碓氷川河川敷
8月15日 21:00 新里まつり 桐生 新里総合グラウンド
8月15日 19:30 榛名ふるさと祭り商工祭花火大会 高崎 烏川公園
8月16日 21:25 くろほね夏まつり 桐生 黒保根運動公園
8月16日 19:45 富岡花火大会 富岡 県富岡合同庁舎駐車場
8月16日 19:50 新町ふるさと祭り花火大会・灯籠流し 高崎 新町烏川グラウンド
8月18日 20:10 千代田の祭 川せがき 千代田 赤岩の利根川河畔
8月19日 19:30 渋川スカイランドパーク遊園地花火大会 渋川 渋川スカイランドパーク
8月19日 20:00 くらぶちの夏祭り 高崎 倉渕支所前駐車場
8月20日 19:30 ぐんま「はにわの里」夏まつり 高崎 上毛野はにわの里公園
8月20日 20:00 おうら祭り 邑楽 町役場付近
8月26日 19:30 高崎まつり大花火大会 高崎 烏川和田橋上流河川敷
8月26日 20:00 猿ケ京温泉赤谷湖上花火大会 みなかみ 赤谷湖周辺
9月9日 19:00 沼田花火大会 沼田 市運動公園
9月17日 19:00 桐生花火大会 桐生 小梅琴平公園

※情報は取材時点。時間は花火の開始予定。日程は悪天候などで変わる場合がある

最多は前橋、高崎

 県内の主な花火大会のうち、打ち上げ数が最も多いのは前橋花火大会と高崎まつり大花火大会で、ともに1万5000発を予定する。
 利根川河川敷で開かれる前橋花火大会は、スターマインや音楽花火が見どころだ。運営を担う前橋観光コンベンション協会は、幅800メートル超のスターマインは視界から溢れるほどの大迫力と紹介。「前橋市内の花火工房で製造する発色の良さにこだわったパステル調の花火も必見」と呼びかける。神輿渡御などを繰り広げる高崎まつりの一環で開かれる大花火大会は、50分の短い時間で盛大に打ち上げるのが特徴だ。高崎観光協会は「切れ目なく上がる花火は見応え十分」とPRする。

 各地の夏祭りは1000~3000発を上げるケースが多く、磯部温泉や猿ヶ京温泉は観光事業者を中心に企画。館林市では、初代館林藩主・榊原氏ゆかりの三河地方に伝わり、10メートルの火柱が上がる手筒花火大会が開かれる。

 

太田・大泉・熊谷で新たな大会

 市民主体で運営する珍しい花火が、9月の桐生市で開かれる「復活第2回桐生花火大会」だ。実行委員長の長竹伯晶さん(56)が、子ども時代に見た花火大会を再現しようと昨年に続き渡良瀬河畔の公園で開く。
 30日までクラウドファンディングで支援を呼びかけている。支援額によって打ち上げ数を増やせるといい、長竹さんは「前回より長い1時間のプログラムを組みたい」と意気込む。

 今年注目を集めそうなのが、太田、大泉、埼玉県熊谷市の3市町が利根川河川敷で開く花火大会だ。3市町はラグビーを通じた交流があり、昨年末に開催計画が明らかになった。太田市によると、当初は夏を見込んでいた開催は秋になる見通しで、県境をまたいだ大規模な大会になりそうだ。

 コロナ禍で中止や無観客開催を余儀なくされていた大会は、通常の形に戻りつつある。灯籠流しと花火を上げる千代田町の「川せがき」は昨年無観客だったが、今年は通常開催に戻す。沼田花火大会も、昨年は見送った飲食ブースを設ける予定だ。

費用膨らみ有料席増

 一方、物価高の影響は大会運営にも及んでいる。いせさき花火大会は今年初めてメイン会場に有料席を設定する。打ち上げや会場設営、警備にかかる費用が膨らんでいることが大きな理由で、伊勢崎市の担当者は「売り上げを大会維持に生かしたい」と話す。来場者からは「場所取りを心配せず、有料でもゆったり見たい」という声もあったという。前橋花火大会や高崎まつり大花火大会も今年、有料席を大幅に増やす予定だ。