▼青梅が出回り始めた。スーパーには特設コーナーができ、梅酒やジュース作り用のガラス瓶や氷砂糖、焼酎などが並ぶ。この時季ならではの「梅仕事」を楽しむ読者も多いのではないだろうか

 ▼わが家でウメといえば梅干し。子どもの頃、祖母が毎年畑で採れた実で作っていた。大きなたるに漬け、梅雨が明けると庭にザルを並べて干した。いわゆる「土用干し」だ。夏の日差しを浴び、おいしそうに変わっていく様子にたまらず手を伸ばしては、「まだ駄目」とくぎを刺された

 ▼梅干しは戦国時代、武士の携行食として重宝されていた。江戸時代初期の兵法と軍学の書『雑兵物語』に登場する。眺めて唾液を出し喉の渇きを癒やしていたほか、疲労回復や殺菌、消毒に役立てていたという

 ▼庶民の食卓にも梅干しが上るようになったのは江戸時代になってかららしい。梅干しに茶や湯をさして飲む「福茶」も流行したようだ。味わい方は今、ジャムやドレッシング、ゼリーなど幅広い

 ▼本県は和歌山県に次ぐ全国2位のウメの産地である。高崎市榛名・箕郷地区でも主力品種「白加賀」の出荷が始まっている。良質なウメを全国の市場に届けるため、6月下旬まで手作業での選果が続く

 ▼わが家の梅干し作りが始まるのはもう少し先。完熟の実が向いているらしく、収穫は入梅を待ってから。今は両親が精を出す梅仕事。そろそろ挑戦してみようか。