温泉がある旅館やホテルなどの利用客から市町村が徴収する群馬県内の入湯税の昨年度調定額(事実上の課税額)は前年度比41.6%減の5億2411万円で、過去10年間で最も少なかったことが県のまとめで明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う観光客の減少で主要温泉地がある4市町(渋川、中之条、草津、みなかみ)などを中心に3~4割ほど減少しており、影響の大きさが改めて浮き彫りとなった。県や市町村は宿泊費の助成などを通じ、観光需要の喚起に力を入れている。

 県市町村課によると、入湯税は施設利用者が負担し、施設側が一時的に預かって市町村に納める「預かり税」。税額は1人1日150円を標準として各市町村が条例で定めている。15年度の9億3510万円が過去10年間で最も多く、昨年度を除くと18年度の8億5225万円が最も少なかった。

 市町村別にみると、昨年度は最多の草津町が前年度比45.8%減の1億2378万円。次いで伊香保温泉がある渋川市が44.7%減の1億1423万円、みなかみ町が41.3%減の6834万円、前橋市が13.1%増の6495万円、嬬恋村が61.9%減の3733万円、四万温泉がある中之条町が34.0%減の2704万円などと続く。前橋市は過年度分の修正で増額となったが、昨年度分だけで比べると約3割減という。

 渋川、中之条、みなかみの3市町では未納も計400万円ほど発生した。「コロナの影響による徴収猶予の申請額が多かった」(中之条町)といい、厳しい経営状況を背景に、預かり税ながらも別の用途に充てた影響とみられる。

 本年度も1日当たりの新規感染者数が300人を超えた夏以降の第5波をはじめ感染拡大が続き、昨年度と同様に観光客数の落ち込みが予想される。県は感染状況が改善した10月から、宿泊費の一部などを助成する観光支援事業「愛郷ぐんまプロジェクト」を再開。市町村とも連携し地域経済の回復に力を入れている。県観光魅力創出課は「観光需要を全体的に喚起して後押ししたい」としている。