▼大勢で集まったり、大声で笑ったり、スキンシップしたり。そうした生活が制限された姿を見たダンゴムシが「人間ていうのはなんて面倒で厄介な生き物なんだ」と評する。玉村町の片亀歳晴さんが完成させた手作り紙芝居「ボクのゆめ」は、コロナ下の現代社会を描いた

 ▼主人公の男の子はマスク着用や手洗い、うがいをして「密集・密閉・密接」を避けた生活を送る。マスクがいらない虫と人間の対比がユニークだ

 ▼「不要不急」「3密」「ステイホーム」。コロナ関連のこうした言葉が6割以上の人に浸透していることが、文化庁の発表した2020年度の国語に関する世論調査で明らかになった。一方、「ウィズコロナ」の浸透は3割にとどまり、「説明を付けた方がいい」「他の言い方がいい」という人が多数を占めた

 ▼コロナと折り合いを付けながらの生活は当分、続くのだろう。長年、紙芝居の制作と読み聞かせのボランティアを続けてきた片亀さんも読み聞かせの自粛を強いられている。その間、制作に専念し、「ボクのゆめ」が100作目となった

 ▼コロナ禍は紙芝居に取り上げるべき題材だと思ったという。副題は「コロナにまけるな」。感染防止を啓発する意味合いも持たせた

 ▼読み聞かせはいつ再開できるのか。子どもたちも、片亀さんと同じように待ちわびていることだろう。紙芝居に込められた思いが子どもたちに届きますように。