▼小中高校の2学期が始まった。大学の講義再開はもう少し先だろうか。夏休みに親元に戻り、久しぶりに実家の食事や古里の名物を味わった学生もいるだろう

 ▼大学時代、長い休みの後は地方出身の仲間で持ち寄る「地元の味」が楽しみだった。北海道や静岡、福岡、佐賀。インターネットを使った手軽なお取り寄せはまだ一般的ではなかったから、珍しい菓子や名産で盛り上がった

 ▼筆者が群馬の名物として食べさせたかったのが焼きまんじゅう。いくら説明しても「味を想像できない」と言う友人たちを満足させようと、自分で焼く土産用のセットを買ってアパートに戻った

 ▼だが、やり方がうまくなかったのだろう。店の味や食感を再現できず、反応はいま一つ。「地元で出来たてを食べるのが一番。群馬に来るべし」と強がった

 ▼小麦の産地が育んだ名物なのは言うまでもないが、県内と県外の知名度の差が大きい。県民の思い入れはとどまるところを知らず、みそだれの特徴的な風味を再現した菓子や飲み物などが次々と登場している。切り身魚も、と聞いて驚いた

 ▼アイデア満載の商品に共通するのは、面白く、楽しみながら地元の食文化を広めたいという願いだろうか。話題性も手伝って全国各地に発信されるといい。しばらく会えずにいる友人に焼きまんじゅう風味のあれこれを送ってみようか。「コロナ後は群馬で味わって」と書き添えて。