▼「くよくよしたって、しょうがない」が明治生まれの祖母の口癖だった。好んで演歌を口ずさみ、自分の人生を重ねていたようだ

 ▼血筋なのだろうか。わが家の思春期の娘も、つい先ほどまでプリプリしていたと思ったら、風呂場から歌声が聞こえてきたりする。娘に好きな歌があって良かったと思う

 ▼玉村町のウクレレ教室「みちくさや」が、県内各地で生徒たちが演奏する動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信している。7チームが安中市の学習の森や、藤岡市の世界文化遺産「高山社跡」、同町の玉村八幡宮など「お薦めスポット」でそれぞれ収録したものだ

 ▼生徒たちはマスク姿だが、各地の見どころを紹介する様子から、地元への愛着や誇りが伝わってくる。歌と演奏に、新緑や鳥のさえずり、風の音もミックスされ、豊かな気持ちになった

 ▼代表の金井悦子さんによると、コロナ禍で一堂に会する交流会が開けない代わりに、地元の名所を発信する演奏動画を企画したという。一日も早く感染拡大が収まり、安心して各地を訪ね合うことができたらいいと、誰もが願っている

 ▼長引く自粛生活と、なかなか進まないワクチン接種。行き場のない怒りやいら立ち、不安を感じている人も多いだろう。「くよくよしたって、しょうがない」の境地に簡単にはなれないかもしれないが、試しに風呂場で好きな1曲を歌ってみたらどうだろうか。