▼梅雨明けの発表を聞き、軒先に風鈴をつるした。岩手県を旅したときに買った南部鉄器のもの。短冊がゆらぐと「リーン」と高く涼やかな音色が響いて心地よい

 ▼風鈴は中国から伝わった青銅製の鐘「風鐸(ふうたく)」が由来という。寺社につり下げ、音で厄や魔を払うのが目的だった。いまは涼を呼ぶ小道具となり、温泉街や電車内にも飾られ目や耳を楽しませてくれる

 ▼ただ近年は、涼しさの演出だけではしのぎ切れない酷暑である。県内は梅雨が明けたとたん、最高気温が35度以上の猛暑日が続いた。暑さに慣れる助走期間もないうちに夏本番となり、体にこたえる

 ▼気象庁が今年5月、気温や降水量、降雪量など気象の平年値を10年ぶりに更新した。これまで1981年から2010年までの平均だったのが、1991年から2020年までの平均に。新しい統計では前橋の気温は年平均で0.4度高くなった

 ▼地球温暖化が主な要因で、全国のほとんどの観測地点で平均気温が上がった。夏の暑さを厳しく感じるのも気のせいではなかった。前橋の真夏日の日数は5.9日増えて58.2日に、猛暑日は4.3日増の13.5日になった

 ▼気を付けたいのは熱中症だ。新型コロナ対策のマスクは手放せないが、屋外で人と十分離れている状況ならば外してもいい。冷房をうまく使い、こまめな水分補給も忘れずに。涼を取り入れながら猛暑を乗り切ろう。