天狗みこしの前でガッツポーズで気合を入れるウクライナ人

 群馬県沼田市の沼田まつりをウクライナ人に体験してもらうバスツアーが5日開かれ、東京近郊に在住の同国人29人が参加した。そのうち女性11人が、そろいのオレンジ色の法被を着て、市民と天狗(てんぐ)みこしを担ぎ、中心市街地を練り歩いた。

 この日は天狗みこし2基が渡御した。ウクライナ人たちは出発前にガッツポーズを見せ、市民と写真を撮り合い、輪になって陽気に乾杯した。

 昨年3月末に原子力発電所があるザポリージャから避難してきた母親(70)とツアーに参加したナタリア・リセンコさん(43)=東京都=は「素晴らしい。担ぐと思ったよりもエネルギーを感じた。天狗みこしのように1人ではなくみんなの力を合わせて、ウクライナに早く平和が訪れてほしい」と汗を拭った。

 一行は祭りを前に迦葉山弥勒寺を見学。6日は市内で開かれる交流会で、伝統衣装や歌を披露する。

 都内の旅行会社が企画し、市観光協会が協賛した。