▼「選択肢があることが一番の幸せ」。そんな言葉を聞いたのは、館林市でフリースクールを開く元教員の安楽岡優子さんから。不登校、引きこもりを経験した夫が言ったという
▼学校が合わない子、学校や家庭以外の場を求める子らに学びの選択肢、居場所を提供しようと2018年、「まなビバ!シリウス」を立ち上げた。子どもが「いきいきと」生きていられることを大切にする
▼シリウスの資料によると、「いきいきと」が意味するのは〈自分の未来を自分で創ること〉。「自分の人生は自分でハンドルを握っていこう」という安楽岡さんのメッセージだ
▼子どもたちが「好き」を追求し、主体的に学びを深めていく場を探る。先日、オンラインイベントがあり、卒業生が「好きなことの中から一つ自分が突き詰められることを探せればいい」「自分で答えを出す」などと今の生活や思いを語った
▼自分で道を選び、「どうしても達成したい目標」に向かっていく姿勢が印象的だった。自分らしくいられる居場所にたどり着いたように見えた
▼県作製の「ぐんま子どもの居場所ハンドブック」に無料学習塾やフリースクール、子ども食堂などの事例が紹介されている。事例を読み、シリウスに通う子の言葉を思い出した。「学校じゃない新しい学校を探してるんだ」。そんな居場所がきっとある。