振る舞いの菓子を笑顔で受け取る子どもたち

 群馬県前橋市広瀬町と後閑町を中心とした周辺地域の活性化につなげようと、地元有志が26日、広瀬団地内にある飯玉神社で初めての夏祭り「稲祖上祭(いおがみさい)」を開いた。少子化で広瀬中と春日中が統合されるなど活力が失われつつある同団地周辺。にぎわいを生む行事として、新たな夏の風物詩に育てたい考えだ。27日まで。

 同神社は平安時代の創建とされ、食物や産業をつかさどる保食神(うけもちのかみ)を祭る。地元有志4人が6月に実行委員会(橋本俊一委員長)をつくり、準備してきた。権禰宜(ごんねぎ)の代田直弘さん(41)は「実行委員会の皆さんの熱意に心動かされた」と境内での開催を快諾した。

 地元飲食店が屋台を出店し、ビンゴゲーム、菓子投げ、ダンスなどが行われ、大勢が楽しんだ。同団地の活性化プロジェクトに関わる前橋工科大の学生らも協力。同大4年の斎藤なる美さん(22)は手伝いで参加し、「顔を合わせ、地域の人たちが仲良くなれる機会になった」と話した。

 26日夜にはメインの神事「稲荷夜行」を実施。神の使いであるキツネの面に参加者が好きな色を塗り、かぶって境内を練り歩いた。

 橋本実行委員長(44)は「スーパーやおもちゃ屋がなくなり、寂しい街になった。地域の文化や魅力を子どもたちに伝えるため交流の場をつくり、盛り上げたい」とし、継続を誓う。

 27日はビンゴゲーム、菓子投げ、和太鼓演奏などが行われる。