通常は冬に猛威を振るうインフルエンザが、群馬県内で早くも流行の兆しを見せ始めている。県は5日、小学校と高校の計4校で今季初の学年・学級閉鎖が報告されたと発表した。県によると、インフルエンザによる学校の臨時休業は過去10年で最も早い発生となった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行した後、インフルエンザは全国で再拡大。夏場も収束しないまま異例の流行が続いており、県内も夏休み明けから再び広がっている。

 県感染症・がん疾病対策課によると、学級閉鎖となったのは新島学園高(安中市)の2年生1学級、藤岡中央高(藤岡市)の2年生1学級、藤岡小野小の2年生1学級。インフルエンザと診断されたか同様の症状があると学校が判断した欠席者は、各校で11~16人いた。学年閉鎖は藤岡美九里東小の4年生(18人)で、欠席者は4人。

 過去10年では2019年9月30日に前橋市の中学級1学級で報告されたのが最も早く、今回はそれを大幅に上回る早さという。

 県内87カ所の定点医療機関から週ごとに報告される患者数は、1機関当たり「1人」を超えると流行期の目安とされる。8月28日~9月3日は1.77人。例年流行は春頃に収まるが、今年は新型コロナが5類に移行した5月以降、感染対策が緩和されたことなどを背景に再拡大した。6月中旬にいったん「1人」を下回ったものの、8月下旬に再び超える例年にない広がりを見せている。

 一方全国では、夏場も「1人」を超える流行期が続いている。同課は「コロナ下では流行がなく、春以降も大きな感染拡大にはなっていないので免疫が低下している人が多い。全国的に流行が途切れない中、夏休みで人の交流が増え、学校が再開して広がった可能性がある」とみている。