岸田文雄首相が13日実施した内閣改造と自民党役員人事では、小渕優子元経済産業相が党四役の選対委員長に起用された。選挙を取り仕切る重要ポストへの登用に対し、県内の各党関係者からは期待や批判などさまざまな声が上がった。顔触れが変わった内閣についても、与野党間で評価が分かれた。
小渕氏の起用について、自民党県連の井下泰伸幹事長は「大変うれしい。さまざまな経験を糧にできる人で、明るく、国民の声を選挙に反映できる。いよいよ羽ばたく時だ」と期待。経産相辞任時の政治資金問題への説明が不十分という声には「説明責任は果たしたと思っている」とした。
新内閣には「県民が安全安心に暮らせて、明日への希望を持てるよう取り組んでほしい」と注文した。
公明党県本部の福重隆浩代表は「初入閣が11人と刷新された印象」と受け止める。「特に5人の女性閣僚と小渕選対委員長には活躍してほしい」とし、「目下の難局を乗り越えるべく、物価高騰対策を盛り込んだ新たな経済対策の策定へスピーディーな対応を求めたい」と期待を込めた。
一方、立憲民主党県連の後藤克己会長は「人事に派手さが感じられず、岸田首相らしさを感じる」と評し、「物価高対策など喫緊の課題では野党の提案についても建設的な議論を期待したい」と要望。女性閣僚が増えたが、まだまだ少ないと指摘し「さらに進めるべきだ」と求めた。
日本維新の会の県組織、群馬維新の会の宮崎岳志幹事長は「派閥順送りの内向きな人事で、何をやろうとしているのかが分からない」と批判。小渕氏の起用については「次期衆院選のために、知名度や応援弁士としての華やかさを求めたのだろう」と指摘した。
共産党県委員会の小菅啓司委員長は、マイナンバーカードを巡る問題などの政権運営を例に「閣僚の顔ぶれは変わったが、大本の政治の問題は変わらないだろう」と切り捨てた。小渕氏については「(政治資金を巡る問題について)説明責任を果たしていない」と批判した。
国民民主党県連の角田修一事務局長は「内閣に派手さはないが、物価高に対応した経済対策を速やかに実施してほしい」と要望。社民党県連合の松本次男代表は主要ポストに変化が見られないとし、「生活と平和が一番という考えの基で与党に対峙(たいじ)していきたい」と話した。参政党県支部連合会の新倉哲郎会長は「主要ポストがベテラン勢で占められており、新しいことに取り組もうという姿勢が感じられない」と批判した。