▼楽器を奏でる人なら多くの人に演奏を聴いてほしいと願うだろう。プロとなると、状況はより切実だ

 ▼群馬交響楽団の活性化に向け、楽団理事長の山本一太知事と副理事長の富岡賢治高崎市長が「群響改革プラン」を発表した。日本一の地方オーケストラを目指すという

 ▼成果指標として、日本オーケストラ連盟の正会員25団体の中で、人口100万人当たりの演奏会入場者数を1位にすることを掲げた。音楽にランキング?と少し驚いた

 ▼演奏者の人件費に多大な費用がかかるオーケストラは自主公演だけで黒字を出すのは難しく、国や自治体から公的支援を受けている。大企業が少なく、民間の支援を受けにくい地方オケはその割合が高い傾向にある。自主財源の確保は長年の課題だ

 ▼群響は戦後間もない1945年11月に発足した地方オケの草分け。定期演奏会とともに続けてきた移動音楽教室は「日本一」と誇っていい。コロナ下で厳しい状況は続くが、団員の最高のパフォーマンスを引き出し、ファンの裾野を広げる改革であってほしい

 ▼「音楽は競争するものではない」。伊勢崎市内で先日、高校の吹奏楽部の発表会を取材した際、顧問のあいさつが胸に響いた。アンサンブルコンテストに出場できない部員も練習成果を発表。客席は関係者に限られたが、舞台上の部員たちの顔は晴れやかだった。音楽を楽しむ種はまかれている。