▼記者という職業柄か、あるいは性分か、オンとオフの切り替えが得意ではない。旅行先でも、会社からの問い合わせに備えてノートや資料を持ち歩く。家族の冷めた視線には気付かないふりをする

 ▼こちらは、そんな後ろ暗い心持ちとは別物のようだ。コロナ禍で関心が高まっている米国発の新しい働き方「ワーケーション」である

 ▼ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、リゾート地や地方など普段とは異なる場所で仕事をしながら休暇を楽しむ仕組みを指す。感染拡大防止のためテレワークが普及したことで、一段と注目されている

 ▼ユネスコのエコパークに登録されているみなかみ町で「テレワークセンターMINAKAMI」を運営するコトハバ(高崎市)のスタッフ橋本拓海さんは、収束後の観光需要の高まりとともに、ワーケーションの利用も伸びるのではと予想する

 ▼午前中に働き、午後は自然遊びを楽しんで温泉に泊まったり、平日に旅館で仕事をして週末はゆっくり観光したり。豊かな自然と名湯ぞろいの群馬県なら、そうした過ごし方が売りになるかもしれない

 ▼温泉地では当面、団体客の利用は低調だろうとの見方が強い。観光産業もビジネスモデルの変化に迫られている。新たな需要の掘り起こしは、苦境の業界にとって活路を開く一手になりそうだ。