防災教育の必要性を伝える学生

 災害弱者と呼ばれる高齢者や障害者らの防災について考えるイベント「要配慮者と考える―温泉防災EXPOin伊香保」が27日、群馬県渋川市伊香保町の市伊香保体育館で初めて開かれた。県内外の企業などがブースを出展したほか、専門家による講習会を開催。参加者は宿泊施設の多い温泉地が、災害時には福祉避難所としての機能を発揮できることなどについて理解を深めた。

 会場には、防災関連の企業や障害者福祉関連の事業所、同温泉周辺の店舗など計56団体がブースを出展した。性的少数者(LGBTQ)の支援団体ハレルワ(前橋市)代表理事の間々田久渚さん(32)は、「LGBTQの当事者も、非常時に支援を求めにくい立場にあることを知ってほしい」と話した。

 共愛学園前橋国際大の児童教育コースの学生は、防災教育をテーマに、ポスターで発表。東日本大震災の被災地に実際に足を運んだ同大3年の埴田翔平さん(21)は「地域や場所単位で適切な避難方法を検討する必要がある」と強調した。災害弱者と避難所をテーマにした講習会や、障害者と旅行、防災をテーマにしたトークセッションもあった。

 イベントは渋川伊香保温泉観光協会など3団体で構成する温泉防災EXPOコンソーシアムが主催した。運営実行委員長で防災士などの資格を持つ塩田忠則さん(54)は、「寝泊まりの環境が整う観光地は、最高の避難所になる。被害を小さくするために、防災への主体性を強めるきっかけにしてほしい」と開催の意図を説明した。