▼米国映画「コンテイジョン」は謎の感染症が拡大する恐怖を描いている。新型コロナウイルスが広がる中で鑑賞すると、人と物が大量に行き来する現代社会で感染を封じ込める難しさが分かる

 ▼感染地域に派遣された専門家は公衆衛生の担当者に説明する。「呼吸器や媒介物から感染する。人は1日2000~3000回、顔を触る。ドアノブやエレベーターのボタン、人の手がすべて媒介物になる」

 ▼数字に誇張はあるだろうが、そう言われると手は頻繁に顔に触れることに気づく。もしウイルスが付着していれば粘膜から感染する

 ▼人類の歴史は感染症との闘いだった。エジプトのミイラから天然痘の痕が見つかり、中世ヨーロッパではペストが大流行。その後もスペイン風邪、エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)などが続いた

 ▼中国・武漢市当局が「原因不明の肺炎」を発表したのが昨年末のこと。わずか2カ月で中国の感染者は8万人に迫り、日本でもクルーズ船の乗船客を含め900人を超えた

 ▼政府は大型イベントの中止や延期を求め、全国の小中高校の休校を要請した。封じ込めはいよいよ正念場。国の専門家会議も「今後1~2週間が瀬戸際」と訴える。われわれにできることは不要不急の外出を控え、しっかり手を洗うこと。そして正確な情報に耳を傾け、実践することだ。