▼高崎市のGメッセ群馬で先日、プレゼンイベント「スタートアップピッチ」が開かれた。県の人材育成事業の一環で、社会課題の解決に取り組む中高生と、その支援を希望する企業とのマッチングが狙いだ

 ▼参加したのは高校生22人。スクリーンにデータや写真、動画を映しながら、メーカーやITなど約10社の関係者に、考案・試作した装置やアプリの狙い、現状と課題を説明してサポートを求めた

 ▼「ピッチ」は米国シリコンバレー発祥のプレゼン形式。事業を立ち上げた起業家が、投資家の支援を得るため、ごく短時間でビジネスプランを伝えたのが始まり。エレベーターで移動するように数十秒で話す「エレベーターピッチ」というものもある

 ▼投資家に関心を持ってもらうには、シンプルで分かりやすいことが肝心だ。言葉を絞り込み、資料は簡潔にまとめる。実績や成長戦略、具体的な計画を示して納得させる。「らしさ」も必要なのだという

 ▼ビジネスでなくてもいい。新しいことを始めたり、仲間を集めたりしたいときには、分かりやすく具体的に説明し、共感してもらうことが不可欠。ピッチは、いろいろな場面で生かせそうだ

 ▼臨時国会が始まり、岸田文雄首相はあす所信表明演説を行う。少子化対策や物価高をどう乗り越えるのか、そのために何が必要なのか。優れたピッチのように、われわれの心に響く言葉で語ってほしい。