▼古代ローマ時代の百科事典『博物誌』を手掛けた大プリニウスを描くヤマザキマリさん、とり・みきさんの漫画『プリニウス』(新潮社)には、木の板に塗った蠟(ろう)に文字を刻むノート型の道具「タブラエ」で物事を記録する場面が登場する。現代のデジタル機器「タブレット」の語源でもあるそうだ

 ▼そのタブレット端末の導入が県内議会にも広がっている。県と9市町村が公費で導入しており、来年度以降もさらに増える見通しだ。各議員に配布していた紙の資料を画面上に表示してペーパーレス化を進め、情報共有を迅速化する狙いがある

 ▼県議会は開会中の第3回後期定例会から、端末の活用を委員会だけでなく本会議にも広げた。当面は紙資料も併用するため、多くの議員の机には端末と紙の両方が置かれている

 ▼反応はさまざまだ。傍聴席から見ると、端末を使わず従来通り紙資料だけの席も。70代の議員は「やっぱり紙の方がいい」と苦手意識を打ち明ける

 ▼一方、操作に慣れている30代の議員は「予算書のように分厚い資料は端末で見るメリットが大きい」と効果を感じつつ「複数の資料を並べて同時に見比べたい時は紙の方がやりやすい」とする

 ▼紙も端末も長短あって最適解の発見には時間がかかりそうだ。まさに「ローマは一日にしてならず」だが、紙を削減しつつ、端末の機能を生かして議論の質が高まるような活用を期待したい。