▼子どもが少なくなっていることはさまざまな統計が示しているが、それを実感するのは学校の統廃合のときではないだろうか。先月、富岡市と長野原町で小中学校の再編や統合が報じられた

 ▼富岡市は小学校11校を4校に、中学校6校を2校にする計画案をまとめた。長野原町は小学校4校を2校に、中学校2校を1校に統合する方針だという。半分から3分の2の学校がなくなることになる

 ▼筆者が通った小学校も5年前、隣の学校に統合された。実家に帰った折に、廃校となって子どものいない校舎や校庭、夏場なのに干上がったプールなどを目にする。母校を失った物寂しさを実感している

 ▼少子化とともに高齢化も進んでおり、社会が抱える課題は多い。公的年金もその一つだ。今年は「老後必要な資金2000万円」が議論を呼び、5年に1度の財政検証も公表されたため、関心が高まった

 ▼年金も少子化と関係が深い。ニッセイ基礎研究所主任研究員の中嶋邦夫さんは、現役世代の平均手取り収入に対する年金受給額の割合を示す「所得代替率」の政府目標には成長実現と少子化抑制の同時達成が必要と指摘する

 ▼だが有効な少子化対策が見えてこない。中嶋さんは「自分の会社で子どもを産み育てやすくしていくことが大事だ」と話す。できることを実践し、子どもでにぎわう学校を見たい。