前橋市功労者表彰を受ける奥野さん(右)

 9月の東京パラリンピック閉会式で「この素晴らしき世界(ワット ア ワンダフル ワールド)」を熱唱した奥野敦士さん(58)=群馬県前橋市=が3日、同市の功労者表彰を受けた。山本龍市長から表彰状を受け取り、「とてもうれしいが、自分が功労者だなんて、まだハテナマーク」と冗談ぽく語った。4日には2年ぶりのライブに出演予定で「うきうきする」と笑顔を見せた。

 奥野さんはロックバンド「ROGUE(ローグ)」のボーカル。1980年代のバンドブームに乗って人気を集め、日本武道館に8000人のファンを集めた。2008年に工事現場での転落事故で頸椎(けいつい)を損傷、体の大半の自由を失い、電動車いすで生活している。

 ローグは1990年に解散していたが、2013年に再結成、支援者らとともに県内でライブイベント「GBGB」を継続開催しており、4日は高崎芸術劇場で開かれる山人音楽祭に出演する。

 パラリンピックの閉会式では、奥野さんがルイ・アームストロングの同曲を、深く響く歌声で世界に届けた。日常の世界の素晴らしさをたたえる曲であり、転落事故後、歌の練習を始めた時に歌った曲でもあった。「曲が閉会式に合っていたこともあり、反響が良かった。ハッピーだった」と喜び、「私がパラリンピックで歌えるように、仲間がPRを頑張ってくれたおかげ」と周囲に感謝した。

 山本市長が「これからもますます活躍を。ベイシア文化ホールは市が管理するのでぜひ使って」と話すと、奥野さんは「安く貸してください」と言って周囲を笑わせた。