▼英国の植民地統治下のインドで塩は専売制だった。政府はインドの人々が使う塩に対し、塩法を根拠に課税をしてきた。この国法に服従せず、自然の恵みを自分たちの手に取り戻そうと呼び掛ける運動が「塩の行進」である

 ▼非暴力、不服従で知られるガンジーが1930年に主導した。インド・ナショナリズムのヤマ場とされ、人々が塩を手に行進し、独立を目指した。『ガンディー 平和を紡ぐ人』(竹中千春著、岩波新書)に教わった

 ▼税は洋の東西を問わず、歴史の中で何度も形を変えてきた。社会生活に不可欠な税ではあるが、『万葉集』に厳しい税の取り立てに窮する農民の姿がうたわれる(山上憶良)など、庶民を悩ますこともある。冒頭のように「不当」とみなされるものも時にあったろう

 ▼1日、消費税が8%から10%に引き上げられた。飲食料品などは国内で初めて軽減税率が適用され、税率8%が維持された。こちらは庶民の悩みの種にならないようにしてほしいものだ▼言うまでもなく、納税は義務である。一方で、税の使い道を監視する、関心を持つことも納税者として重要だ。消費税率は10%でいいのか、他の税や歳出も含め、見極めたい

 ▼150年前のきょう2日はガンジーの誕生日。昨年は暗殺後、70年だった。ガンジーの行動や思想を今改めて振り返るのもいい。