▼家族で焼き肉店に出掛けた。おいしい肉を堪能した後、いざ会計。手続きをしたばかりのスマートフォン決済で対応しようと試みたが、うまくいかない。家族を待たせ5分ぐらい悪戦苦闘した揚げ句、現金で支払った

 ▼明日からの消費税増税に伴う景気対策としてキャッシュレス決済のポイント還元が導入される。消費者にとってはお得な制度であり、これを機に現金派を“卒業”する人もいるだろう

 ▼最初は不慣れなことも手伝い、冒頭の失敗談のような憂き目も見たが、手慣れてくるとキャッシュレス決済は確かに便利である。財布が小銭で膨らむことはないし、レジでの処理が迅速に運ぶ

 ▼ただ、決済に際して手数料がかかることもあり、ポイント還元制度の対象となる中小事業者の中には二の足を踏むところも多いようだ。経済産業省によると、1日の開始当初の導入店舗は全体の4分の1程度になるという

 ▼そうはいってもキャッシュレス化の進展は避けられそうにない。そこで求められるのは、高齢者をはじめとする情報機器の活用に難がある層へのフォローである

 ▼先日、京都大公共政策大学院教授の岩下直行さんが前橋市で講演し、中国でスマホ決済が普及した背景として、高齢者への教育など決済事業者の地道な取り組みを挙げていたのが印象に残った。成功の陰には努力がある。