初回の作業に参加した児童と四ツ葉学園の生徒

 来夏のパリ五輪に合わせてフランスで「世界一大きな絵」を展示するプロジェクトで、群馬県伊勢崎市内の小学生が作品を仕上げる作業が11日、同市の四ツ葉学園中等教育学校で始まった。21人が同校の生徒と協力して白い布に色を塗り、一部分が完成。全体は5メートル四方になる予定で、12月中旬までに140人余りの児童が参加する。

 制作には染色技法の「ろうけつ染め」を用いる。同校美術部が、事前にろうで下絵を描き、作業当日に染料で色を付ける。富岡市の染色アーティスト、大竹夏紀さん(41)が講師を務め、毎回違う顔触れで全6回行う。

 初回の11日は、だるまや埴輪(はにわ)、ツツジなどを描いた縦1メートル、横2.5メートルの布を2枚用意。参加者は思い思いの色を選んで筆を運び、絵の周りにグラデーションを施した。

 2時間ほどで仕上げると、参加者は「カラフルにできた」「きれいに塗れてうれしい」と声を弾ませ、「新しい友達ができ、協力して描くのが楽しかった」との感想も。布への彩色は難しく、開始前は不安だったという大竹さんは「みんな手先が器用で、いい作品になった」と満面の笑みを浮かべた。

 制作を巡っては、同校生徒会と美術部が主体的に関わり、参加者を募った。生徒会長の板井力毅(りき)さん(5年)は「コロナ前のように(校外から人に)来てもらい、一緒に活動する機会が持ててうれしい」と話す。

 布に色を定着させ、縫い合わせて完成となる。美術部の栗原くるみ部長(5年)は「どのような作品になるか、本当に楽しみ」と次回以降にも期待している。