12日午後4時35分ごろ、群馬県前橋市元総社町の釈迦尊寺で「火災信号を受信した」と警備会社から119番通報があった。寺の本堂が激しく燃え、前橋市消防局によると消防車など14台が出て消火活動を行っている。同7時時点で鎮火していないが火の勢いは弱まっている。けが人の情報はないという。
寺関係者の男性によると、この日は午前10時と同11時に本堂で法事があり、線香とろうそくを使った。夕方ごろ、敷地内の別棟にいたところ、別の人物から「本堂が火事だ」と声をかけられた。消火器を持って急いで向かったが「扉を開けると煙がわーっと出てきて、だめだと思い避難した」と火勢の激しさを語った。
男性の話では、本堂では7、8年前からガスや石油の暖房器具を使わないようにしているという。
近隣の50代男性は「どんどん黒い煙が大きくなった。あっという間に本堂全体が火に包まれた」と驚いた様子で話した。檀家の60代男性は「墓地や保育園があり世話になっている人が多く、地元に親しまれている寺。由緒ある寺でもあり残念だ」と肩を落とした。
敷地内には、昨年9月に死去した落語家の六代目三遊亭円楽さんの墓がある。

