ビスケットを手作りしている「GOODJOB」の利用者
人気の「ぐるんぱのビスケット」

 デザイナー、アートディレクターの堀内誠一(1932~87年)の作品を紹介する企画展を開催中の群馬県立館林美術館(館林市日向町)で、絵本に出てくる「ぐるんぱのビスケット」を地元の福祉作業所が再現し、館内のショップで販売している。「まるで絵本から飛び出してきたよう」と、来館者が買い求める人気商品になっている。企画展は12月17日まで。

 ビスケットは邑楽町の社会福祉法人、館邑(かんおう)会が運営する障害福祉サービス事業所「GOODJOB」(同市成島町)の利用者12人が手作りしている。

 堀内が絵を描いた人気絵本「ぐるんぱのようちえん」で主人公のゾウ、ぐるんぱが作るビスケットをモチーフにした。直径7センチ(1枚入り216円)と直径6センチ(4枚入り432円)の2種。原画を尊重し、「BISCUIT」を「BISCKET」とした英語のつづりの間違いもそのままに再現し、これまでに1000枚以上を販売した。

 作っている利用者の一人、関口敦美さん(31)は「絵本通りの形にするのは難しかったが、慣れると手早くできるようになった。人気だと聞いてうれしい」と笑顔で語った。

 施設側に協力を持ちかけた同館によると、ビスケットは素朴な味わいで「まるでぐるんぱが手作りしたような優しさ」(伊藤香織学芸員)という。入荷するとすぐに売り切れてしまうこともある。