▼夜のとばりが降りた中心商店街に足を運ぶと、普段と違う光景が目に飛び込んできた。歩道に飲食や物販店が並び、多くの家族連れやグループが買い物を楽しんでいる

 ▼桐生市で先月、3週連続で金曜日の夜に行われたマルシェである。公民連携事業を進めている団体「KIRYU UNITED(キリュウユナイテッド)」(川村徳佐なるさ代表)と県が協働で企画した。公共空間を活用して市街地活性化を探る社会実験だ

 ▼200メートルの歩道に30ブースほどが出店した。テーブルやいすが置かれ、LEDのランタンで雰囲気を演出した。人工芝のマットでは子どもたちが寝転び、仲間同士が語り合った。非日常な夜の空間が財布のひもを緩める効果も期待される

 ▼公共空間を利用してにぎわいをどう創出するか。社会実験が導き出す答えが待たれる。一過性にしたくない思いは誰も同じで、来場者からは「またやってほしい」といった声が聞かれた

 ▼ただ川村代表は「もう一ひねりを考えなければならない」と今回の試みだけで満足しない。日常の延長で自然に人が集い、街に活気が戻る仕掛けを模索する

 ▼インバウンド対策に挙げられる「ナイトタイムエコノミー」の可能性も膨らむ。来月には市内の遊園地で4万5000球のLEDを装飾するイベントが予定されている。ヒントは至る所にありそうだ。