マーチングの全国大会「第42回全日本小学生バンドフェスティバル」が18日、「第36回全日本マーチングコンテスト」(いずれも全日本吹奏楽連盟主催)が19日、大阪城ホールで開かれる。西関東大会で代表に選ばれた群馬県の川場小、高崎塚沢中、農大二高の3校は最高のパフォーマンスを見せようと練習に励んできた。
川場小
古里のすばらしさ表現
「気持ちを一つにするぞ」「おー!」。全国大会を控えた10日の壮行会で、川場小音楽クラブのメンバー20人は演奏前、円陣を組んで気合いを入れた。全校児童、保護者、村住民の前で「ムーンリバー」の曲を演奏。清流に恵まれた星空の美しい古里・川場を表現し、大きな拍手が起こった。コルネットを担当する6年の堀上紗希さんは「本番でも私たちの古里の良さを伝えたい」と話した。
練習は平日は放課後に1時間、土曜は外部講師の指導を受けるなどして3時間程度行う。ホルンに似た金管楽器のメロフォンを担当する吉野由菜さんは「横一列に並び、前進しながら演奏する『カンパニーフロント』をそろえるのが大変。先輩たちが続けてきた全国大会出場を達成できてほっとする気持ちもある。自分たちのマーチングを見せたい」と意気込む。

指導する星野なな子教諭は学生時代にトロンボーンを演奏していた。以前は座って演奏する「座奏」を重視していたが、村内でマーチングの強豪校、東京・八王子学園八王子高が演奏するのを見て、動きのあるマーチングの魅力を感じた。「子どもたちは柔軟。動きの中でうまくリズムを取り、隊列も演奏もこなすようになる。やれば成長できる」と考えが変わった。

地元の川場中に吹奏楽部はなく、来春卒業する6年生の大半にとって音楽活動はここで一区切りとなる。「音楽のできる環境、支えてくれる村の人に感謝しながら、全国の舞台で練習の成果を出し切ってほしい」。そう願って成長を見守る。
