記録的猛暑となった今年5~9月、群馬県内で熱中症の疑いで搬送された人は前年同期比27%増の1773人(確定値)に上ったことが、総務省消防庁のまとめで分かった。コロナ禍で集計期間が異なる2020年を除き、比較できる15年以降では、18年の2131人に次いで2番目だった。県消防保安課は厳しい暑さが続いた一方で、県民の予防意識の高まりや各自治体の対策が、一定の成果となって現れたとみている。
同庁によると、搬送者の症状別の内訳は、死亡が1人、3週間以上の入院が必要な重症が73人、短期入院が必要な中等症が830人、軽症が869人だった。年齢別は生後28日~6歳の乳幼児15人、7~17歳192人、18~64歳605人、65歳以上961人で、全体の54.2%を高齢者が占めた。亡くなったのは7月、太田市で屋内にいて心肺停止状態で見つかった女性(90)。
全国では9万1467人が救急搬送され、107人が亡くなった。都道府県別では東京が最多の7325人で、大阪5951人、埼玉5719人と続いた。全国で死者が最多だったのは北海道の9人。兵庫8人、青森と新潟各7人などの順となった。
桐生で全国の年間猛暑日数を更新するなど、県内は記録的な暑さが続いたが、搬送者数は18年の2131人よりも358人少なく、過去2番目にとどまった。県消防保安課は「熱中症の予防シェルターなどの自治体が取り組んだ啓発や対策、県民の危機意識が高まっていることが影響しているのではないか」とみている。