全国のシニア世代が集うスポーツの祭典「日本スポーツマスターズ2023福井大会」(9月、福井県)の空手道・男子形4部(70歳以上)で、大会2連覇を達成した狩野吉春さん(74)=館林市=は自身の練習だけではなく、子どもへの指導や空手とは直接関係のない音楽活動を通じて、技術や精神を高めてきた。本格的に空手に取り組み始めてから約45年。今後は競技の魅力を伝え、普及に関わっていくことにも意欲をにじませる。

体調維持が秘訣
空手道の「形」は目の前に敵を想定し、突きや蹴りを繰り出す演武。つま先から指先まで気持ちを集中させ、全身の神経を研ぎ澄ませ、気合の声を張り上げるとともに素早く切れのある動きを披露する。2021年の東京五輪で正式種目に採用され、注目を浴びたことは記憶に新しい。
9月の大会で全国の実力者と競った狩野さん。2連覇の快挙を達成したものの、「プレッシャーで思い通りに体が動かなかった」と大会を振り返る。...