通販サイトで代金を振り込んでも商品が届かず、業者からの「返金する」という申し出に従ってキャッシュレス決済アプリを操作すると送金手続きが行われ、2回にわたって金銭をだまし取られる「二重詐欺」に関する県警への相談が増えている。被害に遭った人からの相談もあり、県警サイバーセンターは手口の特徴を周知して注意を呼びかけている。
同センターによると、県内では9月ごろから目立つようになった。二重詐欺のみの統計はないが、「詐欺・悪質商法(ネットオークションを除く)」に分類された相談件数は、1~9月に1946件(暫定値)で前年同期比975件増え、この一部に二重詐欺が含まれる。
手口には、破格の安さの商品を表示した偽の通販サイトが使われる。代金を振り込むと「欠品している」などの理由で返金を申し出る電子メールが届く。「交流サイト(SNS)で返金方法を伝える」と案内するのが特徴。巧妙な言い回しの指示に沿って特定のキャッシュレス決済アプリを操作すると、返金ではなく他所へ送金する手続きになっている。
①商品が極端に安い②決済方法が銀行振り込みだけ③振込先が個人名義④事業者の住所や電話番号を検索しても出ない―などが見破るヒントになるという。担当者は「想定した商品代の何倍もの被害を受ける恐れがある。通販サイトを使う機会は多くなっていると思うので、正規サイトをブックマーク(お気に入り)登録するか正規アプリを使って防いでほしい」としている。