▼戦国時代の群馬県は、越後の上杉氏や甲斐の武田氏、小田原の北条氏らが覇権争いを繰り広げた。県内各地に往時をしのばせる大小さまざまな城跡がある

 ▼日本百名城に選ばれている金山城(太田市)や箕輪城(高崎市)をはじめ、国や県、市町村の指定史跡になっているものだけで70近くに上る。城巡りの愛好者は多いが、最近の人気の高まりに一役買っているのが「御城印」だ

 ▼寺社を参拝した証しとなる御朱印の城版で、はがき大の紙に城主の家紋などが記されているものが多い。発行される城の数は現在、全国で600超。この2、3年でおよそ10倍になったというから一大ブームだろう

 ▼利根川と吾妻川の合流地点にある白井城(渋川市)も今月、販売が始まったと知り、訪れた。野面積みの石垣や三日月堀、帯曲輪が当時の姿を伝える。扱う「道の駅こもち」によると、図柄の異なる4種類をまとめて購入する人もいるなど好調な売れ行きという

 ▼製作した北群馬甲冑かっちゅう工房の吉沢洋紀さん(39)は高崎城や前橋城なども手掛けている。「歴史に興味を持つきっかけになれば。各地に増え、県内をぐるりと巡れるようになるといい」と話す

 ▼きらびやかな天守がなくても、想像をかき立てられるのが城跡の魅力でもある。調べる、訪れる、集める―。楽しみ方の入り口は広がっている。