▼気持ちがふさぐとき手に取る本に、詩人、谷川俊太郎さんの『詩ってなんだろう』(筑摩書房)がある 

 ▼詩とは何かと問われることが多く、そのたびに困っていた詩人が、詩そのもので答えるしかないと思ってまとめたという

 ▼わらべうたや、ことわざ、しりとりまで詩の仲間に入れて、やさしい言葉で紹介している。はっとしたり、吹き出したりしながら読んでいくうち、いつしか下手でもいいから自分でも作ってみようかという気になっている

 ▼〈詩をよむと、こころがひろがる。詩をこえにだすと、からだがよろこぶ〉。最終章の言葉がとりわけ強く胸に残った。〈うみややま、ゆうやけやほしぞら、詩はいいけしきのように、わたしたちにいきるちからをあたえてくれる、ふしぎなもの〉

 ▼89歳の現在まで70年近く第一線の詩人として活躍し、表現の可能性を広げ続けている。そんな谷川さんが、桐生高と桐生女子高が統合して4月に開校する新高校・桐生高の校歌の作詞を完成させた(6日付本紙)。〈百有余年の歴史を糧に…〉で始まる歌詞は両校の伝統を重んじ、生徒たちの未来への希望がつづられている

 ▼生きる力をもたらす 詩の世界は広くて深い。谷川さんは同書をこう結んだ。〈詩ってなんだろう、というといかけにこたえたひとは、せかいじゅうにまだひとりもいない〉