▼富山の知人から送られた「氷見(ひみ)うどん」をいただいた。味、食感共に申し分なく、さすがは加賀藩御用達の伝統の品だが、ふに落ちないことが一つあった
 ▼「讃岐、稲庭と並ぶ日本三大うどん」と記されている。三大うどんは讃岐、稲庭と、本県の水沢うどんを指すはずなのに、勝手な言い分ではないか

 ▼ところが諸説を尋ねると、讃岐、稲庭のほかに、地域によって水沢、氷見と、長崎の五島うどんがそう呼ばれるらしい。水沢こそ最高ではないかと各地に論争を吹っかけようと勢い込んで、さて、ここが思案のしどころである

 ▼温泉で言えば、草津、下呂、有馬の日本三名泉をはじめ三古泉、三大美人湯、三大薬湯など、いろいろあってにぎやかだ。そして温泉地で足を引っ張り合うでもなく、日本の温泉文化全体をユネスコの無形文化遺産に登録する運動が本県で始まった

 ▼最近は地方創生の名の元に、地方間の競争が熱を帯びる。一方で、桐生市出身の金井利之東大教授(行政学)の言を借りれば、国の少子化対策が手薄なまま、地方がわずかな補助金で目先の競争に奔走させられている一面も否定できない

 ▼温泉地の思いをつなげた登録運動は、地方創生の先を行くようで頼もしい。名物のうどんも、たくさんあっていい。狭い日本で角突き合わせるよりも、世界に向かって力を合わせる時ではないか。