▼きょうは「カレンダーの日」。30年前の1988年に業界団体が制定した。12月を迎え、新しいカレンダーを準備する時季に合わせた記念日かと想像してみたが違ったようだ

 ▼由来を調べると、明治政府が太陰太陽暦(旧暦)から太陽暦(新暦)に改めたことに関係する。旧暦の明治5(1872)年12月3日が新暦の明治6(73)年1月1日となった

 ▼そんな歴史はさておき、書店のカレンダー売り場をのぞくと、今年も「日本の米カレンダー」の2019年版を見つけた。前橋市出身の評論家で立正大名誉教授の富山和子さんが1990年版から手掛けてきたシリーズだ

 ▼富山さんは水や森林、環境問題が専門。森林が水をつくることや農業の多面的機能などを先見的に唱え、「富山理論」「富山学」と呼ばれる。「日本の米カレンダー」では、米作りが日本文化の土台であることを発信してきた

 ▼全国から集まった水田など大量の写真の中から月々を飾る写真を厳選し、富山理論を踏まえた文章を添えたカレンダーは海外にもファンが多い。だが、30年目の19年版が最終号になるという

 ▼新作の最後で富山さんは国民の米離れや水田の消失を憂え、〈水田はダムと言い続けてきたのに/この思いは誰が引き継いでくれるのか〉とつづった。危機感に満ちた問い掛けにしっかり応えなければなるまい。