▼国の重要有形民俗文化財に指定されている渋川市赤城町の「上三原田の歌舞伎舞台」。11月下旬、「廻(まわ)り舞台」や「二重セリ」などの舞台機構操作が公開された

 ▼屋根裏に上がり、操作を見学させてもらった。15人ほどの男性がロープを緩めて慎重にセリを下ろす一方、奈落からは別のセリが上がってくる。屋根裏と奈落が息を合わせ、円滑な舞台転換を披露した

 ▼熟練の技を見せてくれたのは地元住民でつくる「上三原田歌舞伎舞台操作伝承委員会」のメンバー。操作のほか、大規模公演の際に作る桟敷席や屋根掛けなどの技術も継承する

 ▼舞台は江戸時代後期の1819年創建。住民は200年近く舞台と操作技術を守ってきた。後継者不足で途絶えそうな時期もあったが、約20年前に委員会を設立し、乗り越えてきた

 ▼来年11月には「創建200年祭」を開催する。久しぶりの本格的な公演に向け、メンバー有志は定期的に集まり、歌舞伎の演目や屋根掛けに必要な技術などを学んでいる。市は今年秋、ふるさと納税の使い道に創建200年祭関連事業を追加。既に70人から約360万円が寄せられた

 ▼200年続く技術や文化を継承していくことは、決して簡単なことではない。しかし、これほどたくさんの人が応援してくれている。その期待に応えるためにも、舞台を守り続けてほしい。