▼日本にある電柱の総本数は何本か。国土交通省が10日の「無電柱化の日」に都内で開いたイベントをのぞくと、こんなクイズがあった。答えは3578万本。電柱の地中化を新設が上回るため、現在も年7万本のペースで増えている

 ▼無電柱化は通行の安全性確保や観光地の景観向上に加え、地震などの災害時に倒れたり、道をふさいで救急搬送や避難の妨げになることを防ぐ目的がある。9月の台風21号では1600本以上が倒れたという

 ▼ただ、都道府県別の無電柱化率は最も高い東京都で5%程度。本県は1%未満で37位にとどまる。香港やシンガポール、台北などアジアの主要都市はほぼ100%で日本の遅れが目立つ

 ▼国交省は2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、低コストの技術開発を含めて無電柱化を推し進める。県も災害時の緊急輸送道路や富岡製糸場周辺などを中心に整備を急いでおり、専門家や事業者らと新たな推進計画を作成中だ

 ▼進まない大きな要因はコスト。国交省の担当者によると、現場の条件にもよるが、地中化の費用は電柱を設置する場合の10倍以上に及ぶこともある

 ▼夕暮れ時など電柱がある光景は風情を感じさせる。電柱の珍しさにカメラを向ける海外観光客もいるそうだ。だが相次ぐ災害を考えれば、地道に地中化を進める必要があるだろう。