▼東武館林駅西口へと続く駅西通りの街路樹が、モミの木に切り替わった。これまではヤシの木だった。街路樹の切り替えはどうして起こったのか

 ▼その答えは館林市の文具店社長、三田英彦さん(54)によるプロジェクトだ。鉢植えの樹木を季節ごとに入れ替え、1年を通じてさまざまな花や緑を楽しめるようにしている

 ▼群馬イノベーションアワード(GIA)2017で入賞したアイデア。三田さんは事業を進めるために新会社「ジャングルデリバリー」を設立した。遊休農地約1万平方メートルを借り上げ、オリーブやサクラ、パパイアなどを栽培する。将来的には首都圏への樹木の配達も見据える

 ▼市内の複数箇所で同時間帯の気温を測ったところ、緑地帯では市街地に比べ1~3度低いことが分かったという。街中でも緑を増やせば暑さが和らぐのでは、と猛暑で名をはせた当地ならではのアイデアを思い付いた

 ▼地域気象観測システム(アメダス)の館林観測所が移転したため、全国1位の暑さがなかった館林のこの夏。市は暑さ対策の市民会議の名称から「日本一」の文言を削除した

 ▼返上したとはいえ、市民が感じる暑さはこれまでと変わらない。街中に花や緑が増えれば暑さ対策に役立ち、暮らしに潤いをもたらすはず。「花咲かじいさん」を自称する三田さんの取り組みに注目したい。