▼年末恒例の政府予算案で公共事業を取材すると、大抵は国全体の事業費程度の情報にとどまる。県内の道路整備に付いた予算額を知るには、予算が正式に成立し、国土交通省が公共事業の配分を公表するまで待つ必要がある

 ▼ところがダムに関しては事情が異なる。予算案決定の時点で、個別ダムの計上額が示される。それだけ巨大な事業ということなのだろう

 ▼そんなことを考えたのは、来年度完成を目指して長野原町に建設中の八ツ場ダムの工事現場を見学したからだ。とにかくスケールが大きく、なぜダムが別格扱いされているのか、分かった気がした

 ▼参加したのは、国交省八ツ場ダム工事事務所が実施する個人向けの「ぷらっと見学会」。事前予約は不要で、木曜を除く平日に1日2回、土・日や祝日には5回受け付けている。同事務所は10種類のプランを用意する

 ▼ダムや橋などを巡る「インフラツーリズム」がブームだが、建設工事中のダムを一般公開することは少なかったようだ。迫力に満ちた光景を楽しめるため人気で、本年度は9月末までに前年同期の3倍の人が参加した

 ▼「大勢の方に見てもらい、完成後の地域振興につなげたい」と同事務所。10月からは地元主催の見学プランも加わった。大きな犠牲の上に建設されるダムを観光資源に生かす取り組みが加速してほしい。