▼〈世界中の秋晴れを全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます〉。1964年10月10日、東京五輪開会式のテレビ中継でアナウンサーがマイクに向かって語りかけた

 ▼絶好の天気だったことはラジオ中継からも分かる。〈開会式の最大の演出家、それは人間でもなく音楽でもなく、それは太陽です〉。前日の激しい雨から一転した青い空だった。(『東京五輪1964』佐藤次郎著)

 ▼戦争の影響で40年の東京五輪開催を返上し、敗戦を経て開かれた悲願の大会だった。当時の盛り上がりに触れたいと思い、ALSOKぐんま総合スポーツセンター(前橋市)内の県スポーツ協会を訪ねた

 ▼いただいた資料に聖火リレーの歓迎ぶりを「万を数える観衆の拍手が県庁舎にこだまする」と記した文章があった。五輪や国際大会における県勢の活躍を振り返るスポーツ資料館も見させてもらった

 ▼選手らから寄託を受けた代表ユニホームやブレザー、用具などが並ぶ。64年大会の公式ポスターもあった。旧ソ連のアフガニスタン侵攻を受け、日本がボイコットしたモスクワ五輪(80年)に関連したボクシングの「代表ベルト」が気になった

 ▼冒頭のような好天はもちろん、五輪には平和が似合う。2020年はどうなるだろう。真夏の開催。太陽が強すぎるのが心配ではある。