▼「俺の若い頃は」「近頃の若者は」といった言葉を発すると、椅子の背もたれに取り付けた扇風機から風が吹き始める。言葉や音声の抑揚を分析する人工知能(AI)を使い、「先輩風」を可視化した装置だ

 ▼クラフトビール製造のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が開発した。見える化で先輩風を意識することにより、飲み会でのフラットな会話を楽しんでもらう狙いだという

 ▼上司の自慢話や昔の武勇伝を何度も聞かされて、へきえきした経験を持つ人は多いだろう。一方で、年長者は豊富な経験とそれに基づく知見を持っている。その言動は若い人にとって参考になるはずだ

 ▼経験豊富で能力、意欲のあるシニア層に活躍の場を提供する「赤城山プロジェクト」が動きだした。県や事業主団体、労働者団体などで協議会をつくり、シニアと働き手を求める企業を橋渡しする

 ▼国から委託された3カ年事業。8月にはジョブセンターまえばしに相談窓口を設けた。高齢者と企業を対象にした実態調査やシンポジウムなども実施する。前橋市をモデル地域に取り組み、他市町村への横展開を目指す

 ▼「人生100年時代」と言われている。人口減少が進む中、高齢者の経験や技能は貴重だ。先輩風は遠慮したいが、時には年配者の話にじっくり耳を傾ける機会を持ちたい。きょうは「敬老の日」。