インフルエンザワクチンを接種する小学生

 季節性インフルエンザワクチンの供給に遅れが生じ、群馬県内の医療機関で予約できる人を制限するなどの影響が出ている。新型コロナウイルスワクチンの大量生産で、インフルエンザワクチンのメーカーが必要な資材を調達しづらくなったことが要因。今月中には例年並みの量は出荷される見込みだが、年明けまで接種がずれ込む可能性があるとして、県内自治体には高齢者らへの接種費用補助を延長して対応する動きもある。

 「今年は接種しづらいと聞いていたが、ひと安心した」。11月下旬、渋川市の川島内科クリニックで子ども4人がワクチン接種を受けた同市の今井知花さん(35)は、ほっとした様子で話した。

 同クリニックでは毎年、1000人以上の接種希望者を受け付けている。今季はこれまでの供給量が少ないため、前日までの予約を取りやめ、当日の申し込みで対応できる分のみにしてきた。川島崇院長(61)は「例年のシーズンは11月が接種のピークだが、今季は来年1月まで接種が続きそうだ」と見通す。

 前橋市のほんま小児科でも、ワクチンの確保量が例年より2割ほど少ないという。そのため今季は接種の受け付けを、かかりつけの子どもに限っている。本間哲夫理事長(72)は「余裕を持って対応できるよう、国内でのワクチンの供給体制を強化してほしい」と要望した。

 厚生労働省によると、供給の遅れはワクチンの製造で使う滅菌用の資材の不足が要因。国内では今季、例年並みの約2800万本(1本当たり大人2回分)が供給される見込みだが、供給量は11月19日時点で全体の8割で、前年同期の9割と比べると少ないという。担当者は「希望者はもう少し待ってほしい」と呼び掛けている。

 県によると、接種の遅れを踏まえ、各市町村では高齢者などを対象とした接種費用の補助の期限を、通常の12月末から、来年1月まで延長するなどの対応を取っている。昨季はインフルエンザの患者が極端に少なく、新型コロナの拡大に伴う感染症対策の徹底などの影響が指摘された。感染症危機管理室は「せきエチケットや手洗いなど、新型コロナと共通する感染対策を徹底してほしい」としている。