▼全国の消防関係者が注目する群馬県渋川広域消防本部の消火活動方式を紹介する「3人乗車でも1分で放水開始!渋消式(しぶしょうしき)火災防ぎょ戦術」が出版された(4日付本紙)

 ▼放水ホースの収納バッグ開発や管内全ての消火栓の位置を記した地図作製など、限られた人員で被害を最小限に食い止める独自の工夫を掲載。考案した理由や経過がつづられており、興味深く読んだ

 ▼きっかけは2009年に起きた高齢者施設の火災。試行錯誤を繰り返しながら独自の方式を考案できたのは「一人一人の意識の変革があったから」、今後について「現状に満足せず、改善を進めていく」などの文章が目に留まった

 ▼各職員が「何をすべきか」を考える。上司は部下の考えを否定せず、背中を押す。失敗ではなく、挑戦しないことを叱る。その積み重ねが、従来通りの業務の見直しにつながったという

 ▼活力ある組織の在り方として、同本部のような取り組みが求められることは、これまでも指摘されている。だが、それを実践して評価されていることを知り、改めてその大切さを実感した

 ▼今、多くの自治体が人口減少に悩み、さまざまな対策を講じている。思うような成果が上がっていないならば、職員が自ら考え、失敗を恐れずに挑戦し、後押しする仕組みを試してはどうだろう。新たな道が開けるかもしれない。