障害者の就労の場を確保しようと、群馬県高崎市は14日、障害のある人が働くメロンの水耕栽培施設を2024年度、倉渕地域に開設すると発表した。通年で作業をできる設備で高付加価値のメロンを育て、障害者の工賃アップを目指す。障害者が農業で働く「農福連携」を実現し、親や本人の将来への不安解消につなげる。

 同地域で土地を取得し、ビニールハウス3棟と事務所などを建設する。土に植えず施設で液肥を使って育てる水耕栽培は、トラクターなどの農機を使わないため障害者の危険や作業負担が少ないという。

 冬はハウスを加温し、3棟の栽培時季をずらして通年で栽培する。主な対象となる知的障害者が担う作業は育苗や受粉、収穫、出荷など。比較的取り組みやすい、毎日の繰り返し作業ができる環境を確保する。

 一般企業などへの就労が難しい障害者が、就労に必要な知識や能力を身に付ける「就労継続支援B型事業所」とする。高価格のメロンを出荷することで、利用者に支払われる工賃引き上げを図る。栽培の専門家を雇用し、同種の事業所の運営経験がある事業者を指定管理者に選ぶ方針。

 利用者は市内から20人程度を募集。自宅から送迎も行い、高齢の親らの負担を軽減する。

 導入する設備は、東京都町田市の商工関係者が開発し、従来は難しかったメロンの水耕栽培を可能にした「町田式水耕栽培槽」。1棟330平方メートル当たりの設備費が約1000万円かかるなど、初期費用の負担が大きく民間が参入しづらいため、市が整備することにした。来年度には試験栽培用のハウスを設ける。

 市障害福祉課は「品質の良いメロンを栽培し、利用者の生活安定につなげたい」としている。