▼木工芸と聞いてどんな作品を想像するだろうか。県内唯一の国重要無形文化財保持者(人間国宝)の木工芸作家、須田賢司さん(63)が甘楽町小幡に新たな工房を構え、「木工げいギャラリー清雅―SEIGA―」を1月に開設した

 ▼展示作品「嵌装小箪笥がんそうこだんす青蓮せいれん』」は、茶色と白の細長い箱を自作の錠でつないでいる。この金具は正倉院宝物に見られる古い形式という。須田さんの父や祖父、漆芸の外祖父の作品も並ぶ

 ▼青蓮は青いハスで、ブッダの目の例えにも使われる。ハスはよどんだ泥の中から生じ、清楚せいそな花を咲かせるとの文章が添えられている。茶色い箱で泥、白い箱で花を表現した作品を再び鑑賞し、須田さんが込めた思いを感じた

 ▼須田さんは1992年から同町国峰で創作を続けてきた。町の協力を得て小幡の空き家を改修し、昨年末に引っ越した。一般には見る機会が少ない木工芸への興味を深めてもらおうと、ギャラリーを併設した

 ▼木工芸の歴史や技術を後世に継承するため、仕事場を広げ、若手作家が使える工房も設けた。1月から関東近県の40、50代の作家5人と勉強会を始めた

 ▼4月には参加メンバーとともに合同作品展を東京・日本橋で開く。土・日曜開館のギャラリー清雅で展示会も企画していく。木の国の伝統の中で育まれた木工芸の世界を身近に感じてみたい。