▼高度成長期、農家の次男、三男は仕事を求めて東京に向かった。進学で群馬を離れる生徒も多く、山間部では過疎化が進んだが、県人口は上昇基調が続いていて、人口減への危機感は薄かったのかもしれない

 ▼若者の県外流出は続いている。上毛新聞が群馬大社会情報学部と共同で行った高校3年生対象の調査では、およそ4割が卒業後の進路について県外を希望していた。進学や就職を機に群馬から離れ、そのまま縁遠くなってしまう人たちがいる

 ▼人は魅力のある場所に集まる。条件のいい仕事、通いたい学校、便利でにぎやかな商業施設-。人口減と人手不足が叫ばれる今、県内でもいかに地域に人を呼び込むかが大きな課題になっている

 ▼若い世代が夢を求め新たな世界へ挑戦する姿勢は応援したいが、ふるさと群馬から人が出ていく一方になるのも寂しい。何とも悩ましいところだ

 ▼県外から移住する「Iターン」を増やすのはもちろん、岐路となる18歳の若者が学び、働きたいと思うふるさとでありたい。大学教育と雇用環境のさらなる充実が求められる

 ▼利根川の流れは下流都県を潤している。人材も日本の中心地である東京へ向かい、経済成長を支えてきた。流れを変えるのは簡単ではないが、次代を担う高校生が生まれ育った地元で暮らしたいと思う環境づくりへ知恵を絞りたい。