▼手を縛られながらもあの手この手で酒を飲もうとする。狂言の棒しばりに登場する太郎冠者と次郎冠者と同じ心境だろうか

 ▼今日は仕事始め。気分を切り替えて出勤できればいいが、まだまだ祝い酒を味わいたいと、既に気持ちは新年会という人も多いのでは

 ▼日本文化と切り離せない日本酒が、世界から注目されている。ワイン王国のフランスで昨年、地元ソムリエらが審査する日本酒品評会「蔵マスター」が初めて開かれた。マリアージュ(食と飲み物の相性)という仏食文化に置き換え、日本酒の可能性を理解してもらう機会にもなったようだ

 ▼この品評会で川場村の永井酒造の「水芭蕉 純米大吟醸 すい」が東日本で唯一トップ10入りした。同社は、ワインのようにコース料理に合わせて4タイプの日本酒を楽しむ「ナガイスタイル」を世界に提案しており、巨大市場への大きな一歩となった

 ▼「『川場から世界へ』をキーワードに、関わった人が幸せになる仕組みをつくりたい」と永井則吉社長。全国から注目される村のブランド米「雪ほたか」を原料にした日本酒も手掛け、地元産食用米の可能性を広げている

 ▼現在は、世界を視野に雪ほたかを使ったスパークリング酒とデザート酒の製造に挑戦中という。縛られる理由はない。群馬県自慢の食文化を世界に存分に発信していってほしい。