▼「3人の子どもが小学生の頃、台所で勝手仕事をしながらかるたの読み札を読み、子どもたちが一生懸命、取り合ったのを思い出します。時々2度読みしてお手つきにしたりと、楽しかった記憶が
▼本紙で募集した「かるたで読む私のふるさと」の読み札の投稿とともに寄せられた上毛かるたの思い出。幸せな家族だんらんの情景が目に浮かぶ。「私もすべて暗記していて、まだまだ孫には負けません」(67歳女性)。3世代で楽しめるのも魅力だ
▼こんな報告もある。「病院で言葉のリハビリの仕事をしています。言葉が出にくい患者さんも、脳トレに興味を示さない患者さんも、上毛かるたを途中まで読み上げると、パッと反応するのです!」(24歳女性)
▼故郷を愛する心を育み、歴史を学ぶきっかけとなり、家族の絆となった上毛かるた。誕生から70年を経てなお、生みの親、故・浦野匡彦さんの「厳しい状況でも、子どもたちに夢と希望を」の願いは地域や学校、県民に引き継がれている
▼ただ「子ども会でかるたを長年にわたり指導しているが、年々参加者が少なくなっている。郷土について知らない子どもがいる」(61歳男性)のも現実。地域の絆は薄れている
▼今日28日は仕事納め。家に帰ったら、どこかにしまい込んである上毛かるたを探してみようか。