▼大阪城の天守閣は1931(昭和6)年、当時の金額で47万円をかけて再建された。同時期の本県庁舎(昭和庁舎)は79万円、群馬会館は54万円。太田市に残る旧中島家住宅は民家ながら、総工費はこれらをしのぐ100万円というから恐れ入る

 ▼SUBARU前身の飛行機研究所(後の中島飛行機)創設者、中島知久平(1884~1949年)が両親のために建てた大邸宅で、昨年7月に国の重要文化財に指定されている

 ▼研究所設立100年と国重文指定を記念して先月、客間や居間など普段は非公開の部分が一般公開された。大勢の人が来場し、関心の高さをうかがわせた

 ▼重厚な車寄せ、大理石の暖炉やステンドグラス、シャンデリアなど高価な装飾が施された応接室。宮殿建築としての特徴が随所に見られる近代和風の建造物に圧倒される

 ▼これだけのぜいを尽くした建物を、ただ修復して公開するだけではあまりにもったいない。同時開催のシンポジウムで専門家は「観光立県群馬の柱として利用することが重要」と訴え「建物は使わないと生きてこない」と、積極的な活用を主張している

 ▼旧桜宮公会堂(大阪)は国重文に指定されているが、現在はレストランとして使われているそうだ。旧中島家住宅もいろんな活用方法があっていい。何が一番ふさわしいのか、知恵を絞りたい。